【公務員の働き方】出先機関と本庁の違いは?実例を紹介!

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アイキャッチ画像 出先と本庁働き方の違い 公務員の働き方

こんにちは!元公務員フリーランスのレイです。
当サイトをご覧いただきありがとうございます♪

今回は、地方自治体の「出先機関と本庁」、それぞれの働き方の違いをご紹介します!

「出先機関は楽で本庁は大変」
私自身、入庁前はそう思っていましたし、世間的にも同様のイメージが一般的であるように思います。

確かに、「一人の職員が担当する業務量の多さ」「影響力の大きさ」は、出先機関より本庁が上回っています

この意味で、本庁の方が大変というのは一理あるでしょう。
しかし、「仕事の大変さ」は業務量や影響力だけでは計れません。

人によって、向き不向きもあります。

私の経験を基に、実例を交えてご紹介します。

出先機関と本庁…役割の違いについて

地方公務員として働く場合、出先機関本庁のいずれかに配属されます。
いずれも自治体の行政を担う点は変わりませんが、それぞれの役割が異なります

大まかに分類すると、
本庁自治体行政全体の計画(企画)・管理を行うのに対し、
出先機関現場で運用・実行する、正に実働部門といえます。

中には、本庁で企画から実行まで一貫して行う事業もあります。
(例)県内全域の住民を広く対象としたイベントの実施、企業を認定・表彰する事業
この場合、事業の対象となる範囲・規模が大きく、個別ケースに対応する出先機関の業務とは事業の性質が異なることが多いです。
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出先機関での働き方

出先機関の主な業務を列挙してみました。

●電話対応、窓口対応

●申請書・申告書の審査業務
●現地調査の準備~調査結果の起案~結果の通知
●税情報・対応記録などのシステム入力及び管理
●地域住民・団体向けイベントや説明会の準備・運営

これは私が勤務していた税事務所の例ですが、住民や団体と直接関わる業務が多い点は、他の出先機関も同様です。

原則として、同じ部署の人は同じ業務を担当し、地区や案件ごとに担当分けします。
このため、誰かが急に休んでも、ある程度は他の職員で代替可能という特徴があります。

また、後述する本庁勤務と違い、議会や知事などに振り回されることがないため業務や休暇の予定を立てやすいといえます。

例えば、7月に仕事を集中させて、その分8月は多く休むといった柔軟なスケジュールが可能です♪

勤務状況は、私が出先機関にいた時はこんな感じでした。

●毎日定時帰り。ただし、勤務時間中は暇ではない
●「定時に帰れる」というより「定時に帰らなければならない」環境

「残業できない環境」は、精神的なプレッシャーが結構強かったです。
1時間当たりの生産性では、本庁勤務の時より上だったと思います。

一方、同じ事務所の中には、業務量が少なく、ゆっくり作業しても余裕で定時内に終わる部署もありました

人員が余っているなら、忙しい部署に定数を振り替えればいいのに…。

そう心底思っていましたし、今でも思います。
でも、そうはいかないのが現状なんですよね。

出先機関は組合活動が盛んな場合が多く、ある部署の定数を減らしたり、業務負担を増やしたりといったことには非常に強い抵抗があるようです…。

もし、新規採用で出先機関に配属されて、時間を持て余すような暇な部署だったら…
気が付いた時には同期と経験値の差が大きく開いてしまうかもしれません。
自分から能動的に仕事を探したり、勉強したりする工夫が必要ですね。

★出先機関で勤務するメリット・デメリット
休暇を取得しやすい
・現場で個別具体的な実務を経験することができる
運用ルールやマニュアルが整っていることが多い
・直接住民や団体と接する機会が多く、成果を実感しやすい
・同じ部署の職員全員が同様の仕事をしているため、職員同士でフォローしやすい
・定時に帰れる場合が多いため、プライベートの時間を確保できる
・本庁の業務と比較して、個人に与えられる裁量が小さい
・個別対応が中心であり、自治体全体に関わる仕事をする機会が少ない
・住民からのクレーム対応が多い
・出先にも優秀な職員はいるが、いわゆる「仕事ができない」職員も少なくない。
人間関係のストレスを感じやすい。
・時間を持て余すくらい暇な部署もある
ルーティン業務が殆どの部署もある(仕事に飽きる)
 

本庁での働き方

本庁の場合、事業部門(福祉・商工・労働・観光等)と、総務部門(人事・財務・庶務等)とで、大きく業務内容が異なります。
ここでは、本庁・事業部門での主な業務を列挙してみました。

●電話対応、窓口対応(部署によっては対応あり。出先機関よりは少なめ。)
●要項・要領・マニュアル等の作成
●出先機関への指導・助言
当該年度事業の企画・実行(大規模イベント、冊子作成等)
●翌年度事業の計画・予算要求
●知事などからのトップダウン指示への臨時対応(管理職の指示で資料作成等)
●議会・団体などからの要望への対応(管理職の指示で資料作成等)

本庁の場合は、事業ごとに担当分けをしている場合が多いです(いわゆる「縦割り)。

★の項目は、一行にまとめましたが、非常に業務ボリュームが大きいです。
私がいた自治体では、複数の事業を職員一人で担当していることが当たり前でした。

大きなイベントのプログラム検討から登壇者選定、イベント運営委託事業者との調整、広報物の作成など1つの事業に関わる全業務を一人でこなしながら、同時進行で他の事業や臨時対応等を行わなければなりません

思考の切替えの速さ進行管理の徹底セルフマネジメント、そして見切りをつける(必要に応じて100%ではなく70~80%の完成度で終わらせる)能力が求められます。

マニュアルがあるような定型的な業務は少ないため、自分で考え、適宜上司に相談しながら、自分の裁量でどんどん仕事を進めていく必要があります。

こうした能力に長けている人なら、忙しい本庁の部署でも十分に活躍することができるでしょう。

自分の能力を超えて抱え込まないことも、本庁で働く上で重要です。

残業時間は、本庁勤務全体の平均で月20~30時間程度。
月60時間を超える人は少なくないですし、多い人は月100時間を超えます。

部署による差も大きいですが、個人間の差がより大きいと思われます。
これは民間企業とも同じ課題ですが、現状では、独身者や子供がいない既婚者(20~30代)に多くの業務が集中する傾向がありますね…。

2019年4月施行の改正労働基準法における「罰則付き残業時間の上限規制」制定を踏まえ、国の人事院規則や各自治体の条例改正の動きも出ています。
残業を規制するだけでなく、サービス残業が発生しない環境整備が進んでいくことを期待します。
(現状では、休日のサービス出勤や持ち帰り残業が少なからず見受けられます…。)

★本庁で勤務するメリット・デメリット
・出先勤務に比べ、個人の裁量が大きい
自治体全体に関わるマクロな仕事をすることができる
・ある程度優秀な人材が多いため、人間関係のストレスが少ない
・一人で多くの業務を担当するため、経験・能力が向上する
 
失敗した時の影響が大きいほんの僅かなケアレスミスが、知事の謝罪や自身の懲戒処分につながったりする。
・出先機関と比べ、心身への負担が大きい部署が多い
・縦割り業務が多いため休暇を取得しにくい
・残業が比較的多く、プライベートの時間を確保しにくい
 

出先と本庁…異動希望は配慮される?

これはケースバイケースです。

本庁の方が出先よりポストが少なく、少数精鋭であるため、本庁への異動は希望より適性・能力によるものが大きいと感じます。

一方、出先への異動希望は、比較的叶いやすいといえます。
子育てや介護など特段の事情がある場合は、最優先で配慮されているようです。

 

採用試験での合格順位は関係ある?

ズバリ、関係ないでしょう。
少なくとも、私がいた自治体は関係なかったです。

合格順位が一桁であっても、希望していた本庁ではなく出先に配属されていました。
実際の人事の裏事情は知りませんが、バランスよく人材を配置する必要があることを考えると、採用順位の上から希望を叶えるなんてことはあり得ないと推察できます。

 

まとめ

出先機関も本庁も一長一短、それぞれ得られる貴重な経験も、苦労もあります。
また、求められる能力が異なるため、優秀か否かだけでなく、向き不向きもあると思います。
できれば、出先と本庁の両方を早い段階で経験した上で、自分の適性を見極めていくことが望ましいでしょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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