【在宅勤務】公務員もテレワークできる?国と都道府県の実例紹介【無理?】

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【在宅勤務】公務員もテレワークできる?国と都道府県の実例紹介【無理?】 公務員の働き方

元公務員フリーランスのレイです。
当サイトをご覧いただきありがとうございます。

新型コロナウイルス感染拡大を契機に、一気にテレワークが普及していますね。

民間企業は柔軟に対応しているようですが、公務員はどうなのでしょうか?

元公務員の私自身の経験と、公務員の知人(夫と友人)から聞いた話を基に、公務員のテレワークの現状について実態をご紹介します!

この記事のポイント

▶国と自治体それぞれのテレワークの実施例を紹介
▶公務員にテレワークは向いているのか?

コロナ禍で掲げた目標の達成状況

2020年3月頃、複数の省庁や自治体が、「全職員の●割でテレワーク(在宅勤務)を実施します」と目標を掲げました。


Yahoo!ニュースなどネットのコメントでは、達成困難だろうとの意見がよく見られましたが、実際はどうなのでしょうか?

今回紹介する国の某省庁と某都道府県の2つの事例では、掲げた目標は概ね達成しているようです。

達成できているというか、無理やり達成している状況です。

実は、国や自治体におけるテレワークは、何年も前から少しずつ準備が進められてました
もちろん、実施状況は自治体間で異なりますが、民間の取組を後押しするためにも、総務省が主な旗振り役となり行政機関でのテレワークを広げてきました。


そんな中で直面した、新型コロナウィルスの感染拡大
ハード面での準備がある程度整っていたため、突然かつ「全職員の●割」という中~大規模でも、なんとかテレワークを実施できているようです。

  

行政機関でのテレワーク。具体的な環境・仕組みはどうなっている?

公務員もテレワークをしているといっても、具体的にどうやって仕事をしているのか、イメージできない人もいるのではないでしょうか?

国と自治体に分けて、それぞれの具体的な事例をご紹介します!

※あくまで個別の事例であり、実態は行政機関ごとに異なります。
 特に教職員、警察、消防などの職種は現場ありきなので、今回紹介する例はまったく当てはまりません。

国(某省庁)の場合

公務員のテレワーク~国の某省庁の場合~

霞が関の某省庁におけるテレワークの状況を、4つのポイントに分けて紹介します。

ポイント1:インターネットへの接続

テレワークをするためには、まずインターネットへの接続環境を用意しなければなりません(当たり前)。

この某省庁では、原則として職員各自が自己負担でインターネット回線を用意しています。

Wi-Fiモバイルルーターの貸出しも行っているものの、現時点では数がかなり限られているようです。

今回のコロナをきっかけに初めて在宅勤務を行った職員の中には、インターネット回線を自宅に引いておらず、工事完了までスマホのデザリングで接続した人もいたそうです。

通信料がすごく増えたでしょうね…。緊急対応なので仕方ないですが…。

   

ポイント2:ビデオ会議・チャットの活用

この某省庁では、Skype for Business を使って、日常的にビデオ会議やチャットが行われています。

職員間だけでなく、他の行政機関や民間企業ともビデオ会議が可能です。

このため、リモートでも比較的円滑にコミュニケーションれているそうです。

ただ、課題もあるそうです。

まず、他省庁や企業との会議では、ビデオ会議ができない場合もあること。
(理由:使用しているビデオ会議システムやセキュリティの基準が省庁・企業ごとに異なっており、特定のソフト以外ではビデオ会議不可とされている場合も多いため。)

また、会議への参加が大人数になることも少なくないため、議論が活発になりにくい(発言が一部の人に偏る)傾向があるとのことです。

ポイント3:データの保存・管理

テレワークをする際の大きな課題の一つが、PC端末の紛失・盗難による機密情報の漏洩です。

行政機関の場合は、国家機密や住民情報など漏洩した場合の影響が極めて大きい情報を扱っているため、強固なセキュリティ対策が求められます。

そこで、業務で使用する各種データファイルは、PC端末自体には保存せず、組織が管理するサーバー上の共有フォルダに保存・編集する仕組みになっています。

この某省庁では、端末を持ち運ぶことが前提になっているため、共有フォルダにアクセスするためのネットワークとして、仮想の専用線である「VPN」が使われています。

VPNはVirtual Private Networkの略で、 何らかのネットワーク上に仮想の専用線を実現する技術です。 リモートアクセス時に安全性を向上させたり、 遠隔地の拠点間で社内LANを構築したりする時に使われます。

https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/vpn.htmlより引用

技術的な話はまるっと割愛します(私もよく知らないし…)。

簡単に言うと、
・「PC端末自体にはデータを保存しない」で、
・「安全性の高いネットワークを使用して職場のサーバーにアクセス」して仕事をしているということです。

厳密には、インターネットやメールの添付ファイルを一時的にPC端末に保存することは可能で、一定時間が経過すると自動で削除されるシステムになっているとのことです。

ポイント4:電話対応

電話での問い合わせへの対応をどうするか。
これもテレワーク時の課題の一つです。

この某省庁の場合、職員一人につき一台ずつ、パソコンに繋いで使える専用の携帯電話が支給されています。

元々、本省勤務時には職員それぞれがPHSを携帯しています。
そのPHS端末にと同じように、各職員の在宅勤務用の携帯電話にも内線番号が割り当てられているとのことです。

これにより、外線で本庁舎にかかってきた電話も、在宅勤務中の職員に転送できる仕組みになっています。

4つのポイントを見ると、テレワークの環境はしっかり整っているようだね。

(…テレワークの旗振り役の省庁の一つだから、他の省庁より進んでいるのかも…)

自治体(某都道府県)の場合

公務員のテレワーク~自治体(某都道府県の場合)~

次に、某都道府県(筆者・レイの元勤め先で、夫の現在の勤め先)の事例について簡単にご紹介します。

国の某省庁の事例と違う部分にフォーカスして説明しますね。

ポイント1:インターネットへの接続

国の某省庁と全く同様の状況で、原則として職員各自が自己負担でインターネット回線を用意しています。

ポイント2:ビデオ会議・チャットの活用

国の某省庁と同様に、Skype for Business を使って、日常的にビデオ会議やチャットが行われています。

現時点では、ビデオ会議・チャットともに自治体内がメインですが、今後外部との接続も進めていく方針になっています。

ポイント3:データの保存・管理

国の某省庁と同様に、VPN(Virtual Private Network)を通して組織のサーバーにアクセスする仕組みになっています。

国の事例と違うのは、「仮想デスクトップ」で業務を行っている点
です。

簡単に説明すると、以下の環境のもとで業務が行われています

・PC端末本体は「仮想デスクトップにつなぐ窓口的な機能」「インターネットへの接続」のみ
・共有フォルダやメールボックスなど、業務に必要なデータやシステムはすべて組織サーバー上の仮想デスクトップで管理されている

業務上扱うデータがPC本体やインターネットと完全に分離されているので、その分セキュリティが高いといえるでしょう。

ただ、実務上は、仮想デスクトップからはインターネットに接続できないため、不便も少なくありません。

作業しながらインターネットで調べ物をするには、仮想デスクトップとPC本体のデスクトップの画面を別ウィンドウで2画面表示するんだよね~

画面がかなり狭くなっちゃうんだよね…。
サブモニターを設置して画面を拡張しています

夫くんが使用しているサブモニター(の後継機)↓

ポイント4:電話対応

国の某省庁と違い、職員個別の専用電話端末はありません。
その代わりに、モバイルチョイスというサービスを活用しています。

モバイルチョイスとは?
社員個人のスマートフォンや携帯電話を使って、電話番号を変えることなく、ビジネスで使った分の「通話料」を自動的に使い分けできるサービスです。

https://comm.rakuten.co.jp/houjin/mobacho/より引用

このサービスを使って、職員の自己負担なく外部と電話で通話できるようになっています。
ただ、国の某省庁のように本庁舎にかかってきた電話を在宅勤務中の職員に転送することはできません

このため、職場で電話を受けた人が要件を聞き取りし、在宅勤務中の職員に連絡して折り返してもらうという手間が生じています。

ある程度は仕方ないけど…。在宅勤務の人が多いと、出勤した人に電話対応の負担がかかってしまうのが課題ですね。

   

ポイント5:在宅勤務時の勤怠管理

勤怠管理をどうするのか。
これも、在宅勤務時の課題としてよく挙げられる点です。
(勤怠管理については、あいにく国の情報を持っていないので、某都道府県のみ紹介します。)

この某都道府県では、通常の出退勤は職場のカードリーダーまたはシステム上での打刻で管理されています。

一方、在宅勤務時は、前日までに在宅勤務の届け出をした上で、当日の業務開始・終了時点で職場の上司にメールで連絡をすることになっています。

超過勤務をしてはいけないわけではないけど、メールでの連絡だと残業するとは言いにくい雰囲気があります…。

まさに今はテレワーク定着に向けた過渡期。
勤怠管理を含む課題は、官民ともに、これから解消されていくことを期待しましょう!

公務員にテレワークは向いているのか:週1~2回程度がちょうどいい

国と都道府県の事例をそれぞれ紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

今回紹介した事例では、ある程度テレワークを行うための環境が整っています。

しかし、特に自治体では、住民に公的サービスを提供することが最も重要な業務です。

今後テレワークが働き方の一つとして定着したとしても、ある程度は職場に出勤する必要があるでしょう(電話対応や個人情報・企業情報を扱う業務など、出勤しないと十分に対応できない仕事が多い)。

僕の場合は、在宅勤務は週1~2回くらいがちょうどいいと感じています。
在宅と職場への出勤、それぞれ業務内容に向き不向きがあるので、うまく使い分けるのが理想です。


なお、今回は一般的な事務職員の例を紹介しましたが、同じ行政機関でも次のような部署でのテレワークは難しいです。

●今回のコロナ禍での感染症対策や助成金・補助金支給など、緊急対応真っ只中の部署
国会や地方議会の担当部署
●税事務所や児童相談所など外部からアクセス不可の情報を扱う部署・現場ありきの部署

窓口対応が多いほどテレワークは難しいので、今回紹介しなかった市区町村では、国や都道府県より遥かにテレワーク推進のハードルが高いと思います。

全国の市区町村の皆さん、新型コロナに関する各種対応、本当にお疲れ様です。ありがとうございます…。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!