「公務員からフリーランスへの転職(転身)」について思うこと

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「公務員からフリーランスへの転職(転身)」について思うこと 公務員の退職・転職

新型コロナウイルスを契機に、テレワークや副業などの多様な働き方が急速に広がっていますね。
その中で、公務員からフリーランスに転職・転身するパターンもSNSなどでよく見かけるようになりました。

私が行っている電話相談サービスでも、フリーランスへの転職を検討している現役公務員の方からの相談が増えています。


筆者は、公務員を退職・フリーランスになって3年目。
フリーランスの自由な働き方を楽しむと同時に、以下の現実も改めて痛感しています。
すべてを一人で背負うことの厳しさ
大きな組織で働く人(特に公務員)が、いかに手厚く守られているか

この記事では、そんな筆者が「フリーランスへの転職ブーム」ともいえる最近の動向に対して思うことをまとめました。

 この記事はこんな人におすすめ
  • 公務員を辞めようか迷っている
  • フリーランスへの転職を考えている

公務員→フリーランスへの安易な転職はおすすめできない

フリーランスになって3年が経ち、「この働き方は向き・不向きが大きい」と感じています。
水を得た魚のように楽しそうにいきいきと働いている人がいる一方で、
身体的・精神的に追い込まれる人や、トラブルを抱えて疲弊する人も少なくありません。

私が思う“フリーランスに向いている人”は、「チャレンジングな環境にやりがいを感じる」「苦労や大変なことが多いからこそ、楽しい」と言える人かな。

う~ん……。
そういう人は公務員には少ない気がするなあ。

そういう人(開拓者マインドを持っている人)は、はじめから公務員より民間企業に就職する場合が多いだろうね。

少なくとも、筆者の周りの公務員の知人には、保守的・安定志向の人がとても多いです。

「公務員の仕事に疲れた。人間関係にもうんざり。公務員を辞めたい。」
公務員と比べて、フリーランスの自由な働き方は魅力的。転職したい!」
これ↑は、公務員からフリーランスへの転職を希望する理由として、筆者がよく見かけるパターンです。

このようなネガティブな理由での安易な転身は、少なくとも筆者にはおすすめできません。

フリーランスとしての活動は、始めるのは簡単ですが、続けるのは難しいです。

公務員からフリーランスに転職した人のうち、数年後も活躍できている人はどれくらいいるのかな……。

法律と組織に強く守られている公務員の身分を捨てて、誰も守ってくれない世界で戦い続けていく覚悟があるか?
公務員からフリーランスへの転職を考えている方は、繰り返し自分に問いかけてみることをおすすめします。

SNSで見かけるフリーランスと、実際の姿は違う

落ち込んでいる時は、隣の芝が青く見えやすい

先ほども書いたとおり、公務員を退職する(したい)人には、公務員の働き方や人間関係などに不満を持っている人が多いように思います。

このような人にとっては、より一層、自由なフリーランスが魅力的に見えやすいでしょう。

確かに、自分が精神的に落ち込んでいる時は、余計に隣の芝が青く見えるかも。

特にSNSでは、ポジティブなことしか発信しない人が多いからねえ。

筆者も、本名のSNSアカウントでは前向きなことしか発信していません
失敗談やネガティブな情報は、フリーランスの同業者やフリーランスへの転職を考えている人にとっては参考になるかもしれませんが、クライアントにとってはマイナスの印象を与えてしまうリスクが高いためです。

実際には、SNSには書けない不満や苦労がいろいろあります。

フリーランスの大変なこと(例)
  • 継続的・安定的に稼ぐことが難しい
  • 十分な収入を得られるようになるまで(=スキル・実績・信用を積むまで)に時間がかかる
  • 積み上げた信用と仕事を一瞬で失うリスクが常にある
  • 契約書や帳簿の作成など庶務・雑務も必要(主な業務だけに集中できない)
  • 代替要員がいない(病気・育児・介護などの急な対応に困る)
  • 自分を守る人は自分しかいない(トラブルがあっても誰も守ってくれない)
  • 社会保険料が高い・福利厚生が乏しい
  • 将来のキャリアビジョンを描きにくい …など

フリーランスとして働く人の“生の声”を聞いてみよう

時々、フリーランスの人達と交流会をしています。
フリーランス同士かつ非公開の場なので、みんなそれぞれ悩みを相談し合っていますよ。

契約に関すること、同時に抱える仕事の数、年齢を重ねてこのままでいいのか…など。
一見いきいき働いているように見えるフリーランスも、それぞれ悩みや苦労を抱えています

公務員を退職する決断をする前に、SNSなどインターネット上の情報だけでは見えにくい実態にも目を向け、「自分だったらどうするか」を考えてみることをおすすめします。

相談サービスやSNSのダイレクトメッセージなどを活用して、フリーランスとして働く人(できればフリーランス歴が数年ある人)と直接話をしてみることもおすすめですよ。

僭越ながら、私も相談を随時受け付けています
「相談というより、ただ話を聞いてほしい」という方にもご利用いただけます。

ちゃっかり宣伝(笑)。
無料・匿名の相談も可能なので、ぜひお気軽にご利用ください。

筆者が提供する相談サービス
  1. 電話相談サービス(有料:「ココナラ」で提供中)
  2. Web会議アプリを使った相談サービス(有料:「クマレル」で提供中)
  3. 匿名の質問箱(無料:「Peing – 質問箱」で受付中)

フリーランス3年目の筆者が苦戦していること

フリーランス3年目。壁にぶつかっています


筆者の仕事は、企業から業務を受注する「クライアントワーク」と、ストックイラスト販売やブログ運営などの「セルフワーク」の2つで構成されています。

このうちクライアントワークのほとんどを、クラウドソーシング(仕事の仲介サイト)経由で受注してきました。

クラウドソーシングは、仕事の種類・内容が幅広く、不払いなど契約上のトラブルも直接契約よりは防止しやすいため、フリーランス初心者でも取り組みやすい仕事の獲得方法です。

一方で、「契約金額が安価になりがち」「自分自身やサービスの個性・魅力が評価されにくい」といったデメリットもあります。

このため、2年間である程度の実績とスキルが身についた筆者は、思い切ってクラウドソーシングでの受注を一切やめて、自分の独自営業で新規顧客を開拓していく方針にシフトしました。

専用のホームページをつくったり、出版社やIT企業などにDM(はがき)を送ったりして、営業しています!

送付先のニーズに合わせてDMを複数パターン作るなど、試行錯誤しているよね。
で、成果は出ているの?

それが……。今のところ、全然反応がないんだよね……。


価格の問題か、実績の問題か、私自身の信頼性の問題か、そもそも需要がないのか……?
正解がわからないので、現在進行形でいろいろ試行錯誤しているところです。

ちなみに、我が家の住居費・生活費は夫の収入だけですべてを賄っています
(私自身の収入は、余剰資金として貯蓄・資産運用にまわしています。)

※筆者が公務員を退職する前に、夫と2人でよく話し合って、不安定になるであろう私の収入がなくても成り立つ生活をしようと決めました。

このため、目先の仕事が減っても、収入面での心配はあまりありません
(この記事を執筆している現在は、)クライアントワークがないことで浮いた時間をセルフワーク・資産運用・家事に充てて過ごしています。

もしこれが自分の収入で生計を立てている人の場合は、生活的にも精神的にも大変苦しい状況になると考えられます。

フリーランスに転職する場合は、スキルを身に着けてからがおすすめ

ここまで読んでいただいた方、お疲れ様でした。
もしかしたら、「せっかく前向きに新しいチャレンジをしようとしているのに、否定的なことばっかり書きやがって」と、お怒りの方もいるかもしれません(汗)。

良い面・大変な面の両方を知った上で挑戦するなら、私は背中を押します
フリーランスとして、お互いがんばりましょう!

苦労や厳しさを覚悟した上での挑戦なら、たとえ上手くいかなかったとしても、「挑戦しなかった場合の後悔」よりは後悔が少ないと思います。

ただ……。
公務員を辞めてフリーランスに転職するとしても、
「公務員をしながら教材などで勉強する」
「退職後に職業訓練校に通う」
「民間企業に一旦就職する」
など、ある程度スキルを身に着けてから開業することをおすすめします。

私は見切り発車で転職してしまったので、少し後悔しています。
退職して即開業するのではなく、失業保険を受給しながら職業訓練を受けたらよかったなあ。

民間企業に就職する場合は、組織に守られ、安定した給料や福利厚生を得られて、スキルも身に着けられる
フリーランスにはない魅力があるよね。

一見遠回りに見えるかもしれないけど……。
職業訓練や民間企業でスキル・経験を積んだこと自体が実績になるから、いざフリーランスとして独立したときに大きな武器になると思います!

レイみたいに本人以外に稼ぎ頭がいる場合はともかく、自分の収入で生計を立てる場合は、ある程度のスキルや人脈を確保した上で独立した方が安心だよね。

この記事を読んでいる皆さんには、
フリーランスの苦労や厳しさに直面しても、フリーランスとして働き続けられるか
収入が途絶える時期があっても、生活していける貯蓄や頼れる人がいるか
といったことを自分自身に置き換えて、具体的に想像・シミュレーションしたうえで、今後の道を選択していただけたら幸いです。

どうか、一時の感情ではなく、冷静に、長期的な目線で考えてくださいね。

公務員を続ける、フリーランスになる、民間企業に転職する……
いずれにしても、より後悔しない道を進めるよう、応援しています